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江戸時代の衛生観念と香り・匂いの関係

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江戸時代の衛生観念と香り・匂いの関係

江戸時代の衛生観念と香り・匂いの関係

2025/02/25

江戸時代の人々は、世界的に見ても非常に高い衛生観念を持っていました。特に入浴の習慣、下水管理、体臭や口臭への配慮は、現代の日本人の清潔好きな気質にも通じるものがあります。この衛生意識が高かったため、「香り」の使い方も独自の発展を遂げました。

 1. 江戸時代の人々の衛生習慣
 (1) 入浴と行水
江戸の町では「銭湯」が一般的に普及し、多くの庶民が毎日入浴する習慣を持っていました。
- 銭湯文化の発展
- 江戸では町内ごとに銭湯があり、武士も庶民も利用。
- 当初は蒸し風呂形式だったが、次第に湯舟に浸かるスタイルが主流に。
- 江戸後期には、入浴は毎日するのが一般的になっていた。
- 行水(ぎょうずい)
- 夏場や労働の後に、冷水やぬるま湯で身体を流す習慣もあった。
- 井戸や川の水を使い、特に商人や職人の間で広まる。
- 武士階級の入浴
- 武士は身だしなみを重んじ、最低でも数日に一度は入浴した。
- 大名や上級武士は、専用の浴室を持ち、香木(白檀や沈香)を焚いて贅沢に湯を楽しんだ。

(2) 下水道とごみ処理
江戸の町は世界的にも珍しく、優れた下水管理システムを持っていました。
- 「肥桶(こえおけ)」と肥料のリサイクル
- 人の排泄物は「肥桶」に集められ、農村に売られて肥料として再利用された。
- このシステムにより、町は悪臭が少なく、衛生環境が維持されていた。
- 「どぶ」や水路の管理
- 町内ごとに溝(どぶ)を定期的に掃除し、生活排水を流していた。
- 武家屋敷や商家は「裏庭」や「裏長屋」に排水設備を持ち、町の衛生を保っていた。
- ごみの再利用
- 壊れた陶器、古着、紙などは「回収業者」に売られ、リサイクルされる習慣があった。

 (3) 体臭・口臭対策
香りを楽しむだけでなく、臭いに対する意識も高かったようです。
- 体臭対策
- 入浴後に「白檀」や「龍脳」の香りを纏った匂い袋を肌着に忍ばせる。
- 男性は髪油(かみあぶら)に白檀の香りを混ぜ、汗臭さを和らげる。
- 口臭対策
- 「丁子(ちょうじ/クローブ)」を噛むことで、口臭を防ぐ。
- 竹の茎で作られた楊枝が普及し、食後の口の清潔を保つ習慣があった。
- 汗の処理
- 香り付きの扇子(扇ぐと香るように香木や龍脳を仕込む)。
- 夏場には「薄荷(はっか)」や「藤の葉」をすりつぶして肌に塗ることで、消臭効果を期待。

2. 日本人の清潔意識と香り文化
(1) なぜ江戸時代の人々は清潔好きだったのか?
日本人の清潔好きな気質は、いくつかの文化的・環境的要因によるものです。
- 宗教的要因
- 仏教では「不浄を清める」という考えがあり、寺院でも手を洗う習慣があった。
- 神道でも「禊(みそぎ)」の習慣があり、清潔を重んじる文化が根付いていた。
- 気候の影響
- 日本は湿度が高いため、汗を流し、臭いを防ぐ必要があった。
- 都市環境
- 江戸のような大都市では人が密集しており、臭いを抑えるための工夫が求められた。
- 「周囲に迷惑をかけない」という江戸の町人文化が、衛生管理を促進した。
 (2) 香りと清潔感の関係
江戸時代の日本人にとって、香りは「清潔さの証」とされました。
- 香りをまとうことは、身だしなみの一部。
- 汚れを隠すためではなく、清潔な身体にさらに香りを添えるもの。
- 遊女と武士の香りの違い
- 遊女は「官能的な香り」(麝香・白檀・丁子)
- 武士や商人は「上品な香り」(沈香・龍脳・白檀)
- 庶民は「自然な香り」(よもぎ・薄荷・線香)

また、家の中を清潔に保つために、部屋に香を焚くことも一般的でした。
- 商家では「お客様を迎えるための香り」として薫物を焚く。
- 武家では「精神を落ち着けるため」に香道をたしなむ。
- 一般庶民の間でも、白檀や線香の香りを焚いて空気を清める習慣があった。

 

3. 江戸時代の清潔意識と香りのまとめ
- 江戸の人々は非常に清潔好きで、世界でも珍しく「毎日入浴する習慣」があった。
- 排泄物のリサイクルや下水管理が発達し、都市が清潔に保たれていた。
- 体臭・口臭を防ぐために香りを活用し、清潔な状態にさらに上品な香りを纏う文化があった。
- 香りは「贅沢な飾り」ではなく、「清潔さの象徴」として使われた。
- この清潔意識が、現代の日本人の「衛生・香りに対するこだわり」に繋がっている。

江戸時代の清潔な暮らしと香りの文化は、現代の日本人の「清潔好き」「香りの使い方」に影響を与えています。今でも「和の香り」が愛されるのは、こうした歴史の積み重ねがあるからかもしれません。

 

参照

https://losszero.jp/blogs/column/col_188

 

 

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